理論暗記の迷路

「税法科目の理論暗記の大変さ」

 

税理士試験に挑戦する人たちが、遅かれ早かれぶつかる壁です。ただ、その壁の存在をしっかり認識するまでに結構時間がかかります。

そして、認識した後、その壁の高さを痛感するわけですが、そこまでの試行錯誤の段階を経験者談も踏まえてよくあるステップにして書いてみたいと思います。

 

①税理士試験への挑戦を決める。

⇒それなりに試験に対する自信がある人が目指します。

 

②会計科目を合格する。

⇒簿記・財務諸表論を一気に合格して、「やっぱり自分はできる人間なんだ」なんて思う人も。

 

③税法科目に取り組み、「『一字一句丸暗記してくるように』ってどういう意味だ?」と思う。

⇒人生で経験のない暗記の課題なので当初は信じられません。とはいえ、とりあえずやります。

 

④とりあえず王道であるところの、ひたすら「書いて」覚える。

⇒試験に対してそれなりに自信がある人たちの集団なので、1,2回は確認テスト対策として必死に書いて暗記します。

そのぐらいはできます。

 

⑤当然のように、必死で書いて覚えたものが一字一句覚えていられるわけがなく、あっという間に確認テストが終わると忘れる。

⇒これまでの人生にあった試験と同様、テスト終了と同時に暗記したものを忘却の彼方へ理論を葬り去ります。

 

⑥「『一度覚えたものをなるべく忘れないように』と講師に言われるも、どの程度の意味なんだ?」と思う。

⇒そうは言われても、次のテストまでに暗記すべきものを書くだけで疲れ果てる。だからみんなそうなんだろうと思ったりして、自分をごまかす。

 

⑦「合格者は一字一句すべて完璧に覚える。」という講師が「何回か読んだから完璧に覚えられる」という天才の経験談を話してくる。

⇒天才の話をされても、、、と思います。

 

⑧「一字一句覚えなくても合格する人もいる」という言葉をひたすら信じて、努力を続けます。

⇒もう信じるしかやってられません。「合格する人はだいたい一字一句覚えます」という講師の言葉と矛盾することにもこの時はあまり気づきません。

 

⑨「書いて覚えると時間が足りなくなるから、読んで覚えるといい」という講師に出会って、読めばもっと効率的に覚えられるのかな?と取り組んでみる。

⇒いろいろと試みます。ICレコーダーに吹き込んだり、聞いてみたり、倍速にしてみたり、覚えられると言えば覚えられるのですが、どうしても忘れてしまいます。

 

 

⑩とはいえ、読んで覚えてもあっという間にやはり忘れます。

⇒やはり絶望感に浸ります。書いて覚えたときより、早いスピードで忘れます。「蛇口のひねり方ではなく『風呂の栓』をしないと、風呂に湯はたまらない」というイメージが頭に浮かびます。

 

⑪歩きながら読んでみたり、電車の中で読んでみたり、毎朝読んでみたりと、読み方を試行錯誤してみます。

⇒やはり、その時は覚えられても忘れてしまいます。ネットで「税理士試験 暗記」と検索したりするのは、この頃です。いろいろ書いてある挙句に、「何度も読め」的なサイトに「書くほどの事か?」とつぶやいて、本当にがっかりさせられたりします。

ここまで早い段階で来れた上に、すぐにamazonで『税理士試験-替え歌暗記法』に出会ってすぐにノウハウを読むことができた人は、勉強の押さえどころが良い人です。

 

⑫そんな試行錯誤をしているうちに直前期に突入

⇒応用問題など、目を向ける時間はありません。暗記をひたすら続けるか、暗記をあきらめてひたすら応用対策の自分の言葉の作文でヤマをはります。直前期にもなると、「暗記がどの程度できているか」ということ以外には、まわりと実力の差がほとんどないことに気づきます。みな相当な実力者です。あれだけ「一字一句の暗記に頼らなくても」といっていた講師でさえ「1問でも多く暗記した方が合格確率が確実に上がります」とプレッシャーをかけてきます。

学校のように、「落ちこぼれの生徒」は教室にいません。そうした人は、専門学校の教室に来ることさえありません。

 

⑬「回転」と何度も言われるものの、「なんだそれ、体操?」と思っていたのはいつのことやら、ひたすら焦るようになります。そして、なぜか、まわりに一字一句暗記ができている実力者ぞろいなことに驚愕します。

⇒試験に強い人が集まった試験であることを切実に痛感します。

 

⑭結局運まかせで本試験に挑みます。

⇒運よく合格すると「こうすれば合格できる!」と言いたくなります。理論暗記が大変すぎますから、合格するとどうしても言いたくなるんです。

 

⑮あえなく撃沈。

ここで、理論暗記はこれまでの勉強とは全く違うもので特別に取り組む必要があると感じる人は翌年希望があります。一方で「一字一句覚えなくても大丈夫」という言葉を信じてこれまで積み上げたものの上にさらに何を積み上げたらよいのかわからないまま中途半端な勉強を続けてしまうということもあります。

その人たちは、⑧にもどってまた⑮に来る人で理論暗記の迷路にはまってしまった人たちです。ひたすら専門学校に通うのであれば、専門学校にとっての上客になります。

 

科目にもよるかと思いますが、だいたいこんなステップをたどって、どこかで『税理士試験-替え歌暗記法』にたどり着く人が多いようです。

専門学校の税理士講座のパンフレットに書いてある「目安の勉強時間」に、理論暗記のための時間は含みませんと小さな文字で書いてあることに驚愕して、

「計算や条文の解説は専門学校や講師を信頼していていいものの、理論暗記については専門学校を信頼してはいけないんだ」

と悟って『税理士試験-替え歌暗記法』にたどり着く人もいるようです。

確かに「脱・丸暗記」を唱えていたりもするので、暗記の方法を教えくなても受講料にはその分は入っていないのは当然だったりします。

「専門学校というのは『生徒を合格させたいのか、それとも、ビジネスなのでただ、毎年受講させたいのか』」どっちなのだろうと感じる人も多いようです。

講師は一人一人の受講生と対面しているので、受講生のことを思っていると思いますが、学校としては、やはりビジネス面のことを考えるのは当然です。全体的には受講生の合格を願っているのは、当然ですが、個人とグループとしてはスタンスに多少差があるものです。

 

大原は学校としてTACの直前期の講座の受講を勧めませんし、TACも大原の直前期の講座の受講を学校としては勧めません。それ自体は普通の事です。ただ、ときに講師の中には、「大きな声では言えないけれども、合格のためには余裕があれば両方、直前期のテストだけは受けていた方が良いし、実際合格者の多くはそうしている」と言ってくれる人もいます。

 

そうした側面があるのは当然ですから、受験生は自分自身で信頼できそうな情報を見極めなければなりません。

 

感謝のメールが時々来るのですが、このループに疲れて官報合格をあきらめていた人たちの中にも『税理士試験ー替え歌暗記法』を読んで改めて試験に取り組むようになった人がいるようです。そうした人にはなんとか合格していただきたいものです。

 

そんな苦労がつまった税理士試験。

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